うちの村は、ここ数年の農家の人達の挑戦と努力により、見事に秋田県では、1.2を争う「ほうれん草」の産地になりました。
ほうれん草は、高い標高で気温が低い西木村にはぴったりの野菜だと言うことです。
ビタミンたっぷり入ってますし、夏にはさっぱりと「おひたし」にしたり、趣向をかえて「バター炒め」なんかは最高ですよね。
うちの村のほうれん草は特に根のところが甘くて、お湯でざっと茹でれば、サクサクとした歯触りとほのかな甘みが口に広がります。
初回ですから、今回はその話をしましょう。(^^)
と・・ところが・・・良く考えたら、私は"ほうれん草"の事は、まるで知らないことに気が付いてしまったわけです。(^^;;;
で・・・おじいちゃんに相談したところ、
「なに、むげの登のえで、ほうれん草だば、つぐっているべった。」
-通訳-(なぁ〜に、向かいの登さんの家で、ほうれん草なら作っているではないか・・・)
と言われて、"はっ"として、早速、浅利 登さんに話を聞きに走ったわけです。
お恥ずかしい話ですが、お酒の配達はしていましたし、登さんの息子さんは良くビールを買いに来てくれますが、じっくりとお話を聞くのは今回がはじめてなんです。
(走っても3分です)
で、その話を書きます。
上の写真は登るさんの家ですが、いいでしょ〜 すばらしい茅の屋根です。
こういう家を見るとホッとしますよね。
さて、ほうれん草の話です。
"登さんち"のほうれん草は、50mもあるビニールハウスで作っています。
"ビニールハウス"と聞いてがっかりする人もいるでしょうが、まあ、最後までお付き合い下さい。
実は、私もちょっとがっかりしました。
ビニールハウスというと、どうしても、"新鮮"というイメージからほど遠い言葉と思いますよね。
ですが、これにはちゃんと訳がありました。
登さんの話では、ほうれん草には水が絶対いけないんだそうです。
要するに、"雨"を避けるためのビニールハウスなんだそうです。
素人の考えですと、水はたくさんやった方がいいと思っていましたが、そうすると、水っぽいほうれん草になってしまって美味しくないんだそうです。
ぎりぎりまで水を押さえて必要な分だけやると、ほうれん草も鍛えられて立派な根を張り、栄養価の高い味の濃いものになるんだそうです。
それに、雨に打たれて土が付いてしまうと、それを洗わないといけない。
洗剤は使わなければいけないし、人間の口に入るものだからそれはできないし、
水洗いでも、ほうれん草の鮮度は著しく落ちてしまうのだそうです。
あくまでも「雨よけ」と「霜よけ」のためのものなのだそうです。
ですから、晴れの日にはビニールを取って風を送り込んで、太陽もいっぱいに当てます。
そして、また、夕方になるとハウスをかけるのだそうです。
こうして、文章にして書くとたいしたことはないと思うでしょうが、実際、ビニールハウスを見てみると絶句してしまいます。
これを、毎日やるのかと思うと頭が下がります。
だいたい、ここは山の中で、天気が変わりやすいですから、雨の度に繰り返していると思うと、つくづく重労働だと感じてしまうんですが、本人はカラカラと笑って話してくれました。
さて、"科学肥料"は使っているのか?と思い切って聞いてみたんですが、
「あれが作ってくれるべった!!」といって指さしたところには、黒い牛さんがおりました。
この牛の糞や下にしいてあるわらを堆肥にし、2年寝かせたものを使っているそうです。
完全な有機農法ですね。
「虫も食わねえものを人に食わせるわけにはいがねえべ」と笑っている登さんはとてもいい顔をしてらっしゃいます。(なぜかしら、すごい2枚目に見えましたよ(^^))
実際に登さんのお話を聞いて、その"美味しさ"に納得してしまいました。
そうそう、この登さんの作った"ほうれん草"は、評判が良くて「作れば作るほど売れる」そうですが、手間がかかりすぎて良いものを作ろうとすると今が限界なんだそうです。
東京の方にも「秋田まごころほうれんそう」という名前でスーパーなんかに、出ているそうですので、是非一度食べて見て下さいね。
本当に、登さんの「まごころ」が育んだ「ほうれん草」です。
それで、手前味噌ですが、この登さんの作った"ほうれんそう"が入っているそうめんをうちで販売することにしました。
暑い夏にはぴったりのそうめん。
ビタミンもたっぷり入ってますから、夏バテ防止にもなるんではないかしら。
記念すべき第一回は、うちの向かいで「正しい農家」を営んでいらっしゃる、浅利 登さんの作る「ほうれん草」のお話でした。
というわけで、今日の夕食は「ほうれんそう」でバター炒めでも作りますか・・・(^^)
(ほうれん草のそうめんは7月の商品ですので、今月は商品をお見せしてませんが、メールで問い合わせして頂ければ販売いたしております。左の帯にあるメールNOをクリックして一度連絡をお願います。・・・久美子)

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