重富美流、美味しいお酒の選び方2
原材料は絶対確認するべし編
  重富美流、美味しいお酒の選び方2(^^)・・・ということで、今回はいよいよ、確信に迫って、「原材料は絶対確認するべし編」ということでお話しいたしましょう。

 どんな食品でもそうですが、原材料は絶対に確認することが必要です。
お酒のラベルを見るときも一緒で、一番重要なのは「何を使っているのか・・・混ざりものはないか・・・」という原材料の確認をすることが「まずい酒を選ばない」ための最大のコツだと思います。
 お酒の場合には、これを分類するため「純米酒」とか、「吟醸酒」とか呼んでいますが、実際にどういう事なのか、ちゃんと知っている人はまだまだ少ないと思いますので、今回はそれをハッキリさせておこうと思います。
 これを良く理解しておけば、後はご自分の用途によってお酒を選んでもらえれば良いと思いますし、 その後は好みで選んで下さいね。

 それでは、まずは基本になる「本醸造酒」「純米酒」「吟醸酒」の3つの呼び方を説明しますね。

・本醸造酒
-米、米麹、水、醸造アルコールを使用。−
 「本造り」と表示してあるものも同じです。
ネーミングからは何か特別に造られた酒という響きがあるのですが、「米、米麹、醸造用アルコール」と表示されているように、米、米麹、水にアルコールを一定量加えて造った酒の事です。
 一定量ってどのくらい???と思う人もいると思いますが、範囲としては、原料白米1トンあたりアルコールを120リットルまで加えたもの。お酒になると約25%以下というのがその定義です。

 それでは、その一定量アルコール120リットルってどうやって決めたのでしょうか・・・。
 ものの本によると、江戸時代に清酒に焼酎を加えて売ることが多かったそうで、その時代の焼酎添加量の適正値なるものが古文に残されており、それに基づいて算出されたのが本醸造アルコールの添加量の限度なんだそうです。
 では、「醸造用アルコール」ってのはなんのために使うのかというと、本来はお酒の味を調えるために使うものだそうです。これを加えることにより、ライトな感じになるんだそうですが、どう考えても、ただ米の量をケチっているとしか思えないお酒もあります。
 もちろん、良心的な酒蔵では本来の使い方をしているところもありますから、これが入っているからと言って「まずい酒」ということにはならないですが、飲んだときの無い酒を選ぶときには危険なので慎重に判断して下さい。
 それに、寒い時期に熱燗にして飲むお酒なら、かえって「醸造用アルコール」が入っている方が香りが強すぎる事がないのでこの酒で十分です。
用は使いようですので、信頼できる酒蔵の中から一本自分のお気に入りを見つけておくことをお勧めします。

・純米酒
-米麹、水、米だけを原料とする本来の日本酒。−
 米、米麹、水だけで作られる酒で表示も「米、米麹」とだけになっていると思います。
前に述べた、「酒造用アルコール」などは一切使用していない100%ピュアな日本酒です。
清酒とは本来、日本産のお酒造りに適した米を蒸したあと放冷した白米と、その白米にコウジカビを繁殖させた米麹と水だけで醸造する純米の発酵酒で、もともとはこの酒だけだったのです。
 日本酒=この酒だけ・・・だったはずです。
それをわざわざ「純米酒」なんて断って売らなければならない所に、日本酒の悲劇があります。
 これは、この本来の酒が極めて希なものになってしまったからで、最近、日本酒の良さがやっと認められて来てはいますが、全醸造量に占める割合はまだ一割にも達していないのです。
 まず、「美味しい酒」に出会いたいと願うなら、これ以下のクラスの酒は選ばないで頂きたいですね。
初心者の方は、是非、このランクの酒から口にして頂くことを切にお願いします。

・吟醸酒
-米麹、60%以下に精米歩合した米、水、または醸造用アルコールを使用。−
 現代清酒の華といわれる酒で、ランク的には「純米酒」の上になります。
昭和初期に品評会で酒質を競い合うために誕生した酒で、この品評会専用の酒が市販されるようになったのは、昭和五十年に吟醸、吟造の表示申し合わせが決められてからです。
 定義としては、純米醸造、または、本醸造の酒で精米歩合60%以下の高精白米(1キロの玄米を600グラム以下までに磨いた米)を用い、全醸造行程を低温で行う「吟醸造り技法」で造られた清酒ということになると思います。
 まあ、簡単に言えば、吟味して造った酒という事ですね。
優れた吟醸酒は、すごくいい香り(果実みたい)がして、よく「ワインのようだ!!」という言い方をする人もいます。
燗をすると香気が飛んでしまうので普通は冷やして飲んだ方がいいと言われています。

 おっと、ここでも「醸造用アルコール」を加えているものもあるのですが、品評会用の酒という事なので、まず本来の使い方をしていると思っていいでしょう。
と言っておきながら、わたし個人は「醸造用アルコールなし」のものを選ぶようにしています。

 さあ、ここまでが基本となる呼び方と原材料の関係です。
後は、この言葉のバリエーションを組み合わせて考えてみればいいわけなんですね。(^^)
ここからは、そのバリエーションを説明していきましょう。

・特別本醸造酒
-米麹、水、醸造アルコールを使用。米は精米歩合60%以下−
 本醸造酒と同じ原料を使用してますが、通常は米により磨きをかけて精米歩合60%以下にしたものを使用しています。または、その名の通り特別な製造方法で造られたものをいいます。
まあ、本醸造酒と純米酒の真ん中の位置にあるお酒と思っていいようです。

・純米吟醸酒
-米麹、水、米は精米歩合60%以下を使用−
 米麹、水、米のみを使用し、その上、米は精米歩合60%以下を使用したもの。
その名の通り純米酒でありながら、吟醸酒でもあるという、思わず、これはこれは(^^)・・・と言ってしまう酒です。
ここまで来れば、もうあまり心配しないでいいと思いますが、後は個人の好みの問題でしょうね・・・。

・特別純米酒
-米麹、水、米は精米歩合60%以下を使用−
 米麹、水、米のみを使用し、その上、米は精米歩合60%以下を使用したもの。
純米吟醸酒との違いは、特別な作り方をしているという点でしょう。その違いはラベル等に表示されているはずですので良く見て下さいね。
 新たなる挑戦をしている蔵元の姿勢が感じられるお酒です。

・大吟醸酒
-米麹、50%以下に精米歩合した米、水、または醸造用アルコールを使用。−
 米、米麹、水、または醸造用アルコールを使用し、その上、米は磨きに磨き上げた精米歩合50%以下を使用し低温にて長期発酵させて造ったお酒です。
 酒蔵の技術を全てつぎ込んだ酒と言っても良く、ここまで来るともはや芸術とさえ呼べるでしょう。
その為、価格ももちろん高く、普段はなかなか飲めないでしょうが、特別な日には是非ためしてみましょう。

・純米大吟醸酒
-米麹、50%以下に精米歩合した米、水だけを使用。−
 もう、何も言うことはないでしょう。
近代清酒の芸術品。
ここまで来ると、世界に誇っていいお酒だと思います。
飲んだ瞬間に「うん、もう、憎いぜ、こんちくしょう」などと拳を握りしめ訳のわからないことを口走ってしまうわたしです。
 日本酒は嫌いだ!!なんて言っているヤカラには、何も言わせず無理矢理にでも飲ませましょう。これをまずいという人は日本人をただちにやめてもらいましょう。(^^)

 さて、いかがだったでしょうか・・・。
今回は、日本酒の分類の話みたいになってしまいましたけれど、できれば、「純米酒」と名乗っていても必ずラベルの裏に書いてある原材料を確認することをお願いいたします。

ほんとは、これ以外にも、「生酒」とか「原酒」とか「秘蔵酒」とかいろいろありますが、長くなりましたので、それは、次回のお楽しみということで・・・勘弁して下さい。(^^;;;

 ・・・ああ、書いているだけでツバを飲み込んでしまいますね。
やはりこんな話を書いていると、とても体に悪いですから、わたしはこれからちょっと飲ませていただきます。(笑)
 今日は「純米吟醸」あたりで勘弁してやりますか・・・(笑)
 し・・・辛抱たまらん!!

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