うまい秋田地酒紹介
出羽鶴 自然米酒 松倉
 この酒蔵でも、こだわりの一本があります。

 そして、この、「自然米酒 松倉」は、今では難しくなった「無農薬米を使用する」ということに、徹底的にこだわった、出羽鶴、自信の一本です。(^^)

秋田旬吟醸   無農薬米・・・良く聞く言葉ですが、ほんとに、無農薬???。って思われる方もいますよね。きっと・・・

 実際、私もこの「無農薬」っていう言葉を、どうも信用できないんですね。
だって、一つのたんぼが無農薬でも、隣のたんぼが農薬を使用していれば、その米は結局、農薬をかけられてしまっている訳ですし、一年やそこら、たとえ無農薬でも、前に使っていた農薬が土壌に残留しているでしょうし・・・。

 言葉で言うのは簡単ですけど、実際に実現するのはとても難しい。
はっきりいって、今では不可能ではないか・・・。と正直、思ってしまいますからね。(^^;;;

   そこで、疑い深い私は、ちょっと調べてみたのでした。

 で、わかった事。

 実は、この「松倉」に使用されているお米は、別にこの為だけに作っている訳ではないということ。
良くあるじゃないですか、「これを作るために、今年から、無農薬にします。」なんての・・・。

 でも、どうやら前々から地区ぐるみで無農薬で作っている農家の人達がいて、そのお米を使わせてもらっていると言うのが事実のようです。

 その地区というのが、この出羽鶴の近くの「松倉地区」という場所。
それで、酒蔵の方で、その地区の農家の人達に敬意を表して付いた名前が「松倉」なのです。
(ページ制作お助けマンのtadaは、始めこの名前を見たとき、「なんか、鞍馬天狗とかの時代劇ヒーローが乗っている馬の名前みたい」
・・・と言っておりました。なろ〜!! 頭が高いわい(x_x)\(`´))

 ここは、40年代はじめより無農薬有機農法による農産物の栽培が盛んに行われておりました。
その頃の時代といえば、まだ減反政策は行われておらず、農薬や化学肥料の力を借りた量産時代の真っ盛りでした。

 松倉地区も例外ではなく、その当時、出回っていた強力な農薬を頻繁に利用していた農家が一部あったらしいのですが、使ってみたら、そのお米を作っている農家の人達の中に、肝機能障害や、その他の病気が増え、体の不調を訴える人が現れたのだそうです。
 その苦い経験から、この松倉地区では、農薬を利用する栽培法方に疑問を覚える農家が自然に増えて行き、その人達が中心になって、昭和47年「大曲仙北無農薬栽培研究会」を発足させたのだそうです。

 研究会発足の動機は以下のようになっておりました。

  1. 自分または農家が農薬の被害者であり、その恐ろしさを知ったため。
  2. 農薬を使わない米栽培の可能性を追求していた。
  3. 自分の耕作田の下流に養魚池などがあり、農薬を使用できなかった。
  4. 特別な理由はないが、今まで一切農薬を使用しなかった。

 この動機を見ると、その「松倉地区」にはもともと無農薬農法の地盤があったんですね。(^^)
私はある意味で奇跡だと思っていたのですが、この地区の農家の人達からすれば、別に変わったことではなかったようですね。  はんせい □\(.. )

 そして、この「まじめで正しい日本の農家」の人々と、「安全で美味しいお米を食べたいのよ・・・日本人だもの・・・」という消費者の人達の考えが合致し、この研究会員農家で栽培された無農薬農産物は首都圏をはじめ、全国の消費者の人達の支持を受けるようになったのだそうです。<(^-^)v

 この「大曲仙北無農薬栽培研究会」は、無農薬栽培のポイントとして次の点を上げています。

  1. 自力のある水田で栽培する。そのため、稲わらや牛糞などの堆肥を用いて土造りを行う。
  2. 種子の段階から穂ばらみ期まで、稲の状態を見ながら随時、木酢の希釈液を使用し、丈夫な根と茎、苗を育てる。
  3. 健康な稲造りに徹する。田植えは手植えを行い苗の過密を防ぐ。堆肥を控えめにして徒長軟弱に気を付ける。
  4. 除草は田下駄をはいて歩き、稲株の周りは手取りする。
  5. 用水は山の沢水などを用い、極力独自のものを使用する。

 なんとまあ、ホントに昔の農家のやり方ですよね。でも、これは大変でしょうね・・・。(^^;;;

 2に木酢とありますが、うちのじいちゃんに聞いたところ、苗の防虫に使われる天然のものだそうですが、これがかなり効果があるという事です。(^^)

 それから、4ですが、これは私も経験がありますが、はっきり言ってこの手作業。・・・地獄です。

 現在では、19戸の会員農家があり合計、1880.5アールの水田で、キヨニシキ、美山錦、トヨニシキ、ササニシキ、あきたこまちなどを地区ぐるみで無農薬栽培しているのだそうです。

 そこで、出羽鶴では、この松倉地区の農家の人達の姿勢に共感し、「あなた達は偉い!! 日本の農家の鏡だ!!」と言ったかどうかは定かではないけれど、酒造用米を契約栽培で生産してもらって、松倉地区の農家の人達に敬意を表したのと同時に、将来地元の生産物として地元の人にも、全国の酒通の人にも広く愛されるお酒になってもらいたいと、昭和59年からここで取れた無農薬キヨニシキを用いて、この純米酒「松倉」 の生産を始めたのです。<(^-^)v

 でも、出羽鶴の思い入れはそれだけに終わらない。(^^)

 「単に米の提供者と加工者という関係で終わらしてはならない。」という信念のもと、原料米の田植え、稲刈りの時期には、社員が手伝いをしにたんぼに出かけて、農作業を実際に体験し、無農薬栽培の勉強をして農家の人達の心を知り、それから、その心を引き継ぎ、このお酒の造りに入るのだそうです。

 この無農薬米を使った酒造りの特徴として、酒蔵、出羽鶴ではこう言っています。(電話して聞いたら、FAXでわざわざ文章を送ってくれました・・・。さすが出羽鶴。対応もとても親切です。(^^))

 無農薬米は農薬米とくらべて外見は良くありませんが、粒内に有機成分が多く、さらに自然乾燥させているため実が締まり、しっかりとした構造になっています。精米で砕けにくく、吸水させても倒れたり、ぷよぷよしたりしません。そのため、蒸したあとの米は弾力があり、理想的な酒米になりやすい特性があります。
 麹もはぜ込みやすく、もろみの段階でも順調な発酵が見られる事が多く、力の強い米であるといえます。
 こうした現象は、必ずしも科学的に証明されているわけではありませんが、無農薬米がつくりの上で多くの好条件を与えてくれることは事実のようです。

ということです。

 さて、問題の味ですが、私の印象は一言でいうと「男らしく、がっしりしている」です。(^^)
さすが、無農薬パワーって感じで、なにを食べながら飲んでも、料理をしっかりと受けとめて微動だにしません。
 どちらかというと、「本物の酒通をうならせる酒」って感じだと思います。(^^)

 その証拠に、我が家では、じいちゃんがこの「松倉」を一押ししています。

 実際、飲んべえの多い地元でも「贈り物にするなら松倉」という根強い支持を受けてますし、お客様からのメールでは、「秋田の酒を美味しいと教えてくれたのは、松倉というお酒です。」というのも届きました。
(このメールがきっかけで、ネットで紹介する事になったんですけど・・・。(^^))

 この松倉は、メールによると名古屋あたりまで進出しているそうですが、やはり、地元の気候で育った本物の味をお送りしたいと思い、今回、紹介させていただきました。

 どうか、本物の無農薬米でできた、「男らしく、がっしりしている」味の「出羽鶴 自然米酒 松倉」をご自身で体験してみて下さい。

 あっと・・・そうそう、この「出羽鶴」という酒蔵は、あの大好評の酒蔵「刈穂(かりほ)」の兄弟蔵で、こちらの方が「お兄ちゃん」という蔵です。(^^)
 でも、水質の異なる水で生まれてますから、味はまったく違うんですよねぇ。<(@^_^@)


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