小澤里江さん民舞訓練の記録


龍神の舞終演後に

訓練に至った経過

東京都は新島出身の彼女が私のもとで訓練を始めたのは2007年4月の中旬でした。

彼女はそもそも和太鼓の奏者です。
関西を中心に研鑽と実践を重ねていたある時、かつてわらび座に在籍していた人たちと一緒に舞台を踏む機会があったそうです。
そこから民舞への興味を多いにかき立てられ本格的に勉強してみたいという衝動にかられた彼女。
ネットで民舞に関する情報を探している時に目にしたのが当「万踊衆のホームページ」。
私のもとで民舞訓練を重ねた「ミッシェル」や「安原さん」の訓練記録を読み進むうちに「ここだ」という気持ちがどんどん強くなっていったという。
さっそくメールでやり取りを開始。
2006年10月。
まずは私の人となりを知り、果たしてここ秋田の地で一定の期間住みついて訓練を続ける価値があるのかどうか・・・その下見と相談を兼ねて彼女が実際に訪れてまいりました。

早朝の夜行バスで角館に降り立った彼女を出迎えた私は早速我が家へ案内。
朝食をとってもらいその日はわらび座やハローワーク、角館、西木、田沢湖とこの地域を案内。
その日は農家民宿に泊まってもらいました。(私のホームページに何時も出てくる農家民宿「泰山堂」です)
翌日は早速踊りの体験もしてもらいました。
踊ったのは「こきりこ節」
本当に短時間でしたが踊る楽しさを感じてもらえたようでした。
そのまま夕食を我が家でとっていただき、私の奥さんとも親しく話しを交わす中で、やってみたいという思いがますます強くなった・・・ということでした。
その夜の夜行バスで再び彼女は東京へ帰っていきました。
そしてその後ある程度資金を準備するために郷里に帰って農作業のアルバイトをしながら、着々と準備を開始した彼女。
その間私たちは彼女の宿泊先とアルバイト先を探し続けました。
運良くどちらも一応の目安がつき、年が明けて1月、アルバイト先との顔つなぎと下相談のため再び秋田へ。

そして 実際に彼女が秋田で訓練を開始したのが最初に書いた4月の中旬。
それから8月のお盆の時期を除いて11月中旬まで、雨の日も、風の日も、かんかん照りの日も自転車で往復1時間をかけて我が家に通い続けた彼女。
8月までは朝5時から昼前までわらび座のパン工房でアルバイトをし、その後再び自転車で同じ道を我が家へ。
一日ほぼ2往復の日が続いたのです。
踊りの訓練だけではなく、そうしたことが彼女の体力作りに役立ったのは言うまでもありません。

その後一時帰省から戻ってきた彼女は間もなくアルバイトを止め踊りに専念。
数多くの踊りに挑戦してきました。
覚えた曲は「相馬盆踊り」「郡上川崎」「そーらん節」「秋田おばこ」「津軽じょんから節旧節」「津軽じょんから節中節」「さんさ踊り(手踊り・太鼓・笛)」「西馬音内盆踊り」「じゃんがら」「七頭舞」「二本竹」の計11曲。
そのほかに「とにかく人の前で踊って観て貰わなくては上手くならない」という私の方針のもと、沢山のパフォーマンスもこなしてきました。

小柄な身体ながら、どんな苦しい訓練にも決して根をあげない彼女の努力はさすがに和太鼓の世界で生きてきた彼女の大きな武器だと感じ入りました。
彼女の訓練はこれまでがまず第一弾。
今後も引き続き折りにふれ短期間ずつではありますが継続してゆくことになっております。
彼女の努力が実を結び大きな花を咲かせる日が来ることを信じ見守って行きたいと思っております。

さてここまではまず前段のお話し。
実際の訓練の記録はここからです。
今後ボチボチとアップしていきます。
お楽しみに!

  訓練その1 相馬盆踊りから秋田おばこまで
訓練その2
津軽じょんから節
訓練その3
さんさ踊り
訓練その4
西馬音内盆踊りとじゃんがら
訓練その5
七頭舞とおまけで二本竹
最後に
小澤里江さんパフォーマンス写真集