ジョーカー
-joker-



内なる狂気。


その姿は、トーアとは呼べない程に変化している。
いや、これが本来の姿なのである。
それが、本人がどんなに拒絶していても。


ペペ・クロズらしき物体は、本当に体の一部であった事が分かる。
そして目を引くのは、背中の背ビレのような突起物。


顔アップ。
銀色に輝く龍のような顔には、トーアの証であるカノイすら着いていない。
その目は赤く爛々と燃え、いつもの目では無い。


武器の大鎌。
トーアの姿の時と何も変わっていない。


これが、本当の自分。
どんなに否定しても。どんなに拒絶しても。
これが真実。



V E I L

ヴェイル



これが、本当の姿。

ヴェイルの特殊能力は、「トーアへの擬態」。
生来ダーカーだった彼は、不運にもトーアに近い思考を持って生まれてしまった。
本来ならばトーアとして潜り込み、トーアを殺害するための擬態能力を持っていた事が幸いし、
彼は一人の「トーア」として、今まで生きてきたのだった。

ファイナとの出会いが、彼の運命を全て変えた。
叶うはずの無い願い。それすら手に入れようとした。

それが無理だから、せめて一緒に旅をしたかった。

それが、今の彼の行動理念。