院長ごあいさつ




今、日本の医療、特に地域医療・救急医療は危機的状態にあります。地域住民の意に反して、地域医療を支えるべき自治体病院の閉院、診療所化、整理統合が相次いでいるところであります。当田沢湖病院も、循環器内科、消化器内科、整形外科常勤医の引き上げのため、常勤医師が最大6名から3名に激減してしまい、病院存続が危ぶまれる危機的状況に至り、現在障がい者病棟として、生き残りをかけているところであります。

障がい者病棟とは、障がい者(重度の肢体不自由者、脊髄損傷などの重度障がい者、重度の意識障害者、筋ジストロフィー患者、神経難病患者など)に該当する方を概ね7割以上入院させている一般病棟のことです。従って、障がい者に該当しない方の入院を制限しなければならず、地域の方々へはご不便をおかけしております。当該地域内の病診・病病連携の推進、ならびに訪問看護、訪問医療を充実することによって何とか地域の医療ニーズに対応していきたいと存じます。平成20年10月より障がい者病棟化に取り組んできたのですが、平成21年1月には要件が整い、順調に運営されております。現在、入院待機者が数名の状況です。将来とも当院がやらなければならないかどうかは別として、この大曲仙北地区における障がい者病棟の必要性を痛切に感じているところであります。

 ところで、当院は日本一の高齢化県となることが確実視されている秋田県、それもその秋田県の玄関口、仙北市の生保内、しかも日本有数の観光地にあります。そこで、高齢化のモデル病院を作ろうと意気込みのもと、「町づくりは病院から!」をスローガンに『コミュニティーホスピタル』を目標として、平成15年に新病院を竣工したばかりです。現在の少子高齢化の中では、病院こそが地域コミュニティーの核になりえると信じるからであります。地域医療の充実と、観光地にある病院として救急に対応すべく、整形外科中心の急性期病院として生き残ろうとしたわけですが、聖域なき構造改革・医療崩壊の荒波に抗するすべもなく、方向転換を余儀なくされてしまいました。

 しかし、こうした地域医療の危機に際して、地域住民の方々により、「市立田沢湖病院を存続する会」が立ち上げられ、病院存続への大きな力となりました。「市立田沢湖病院を存続する会」とともに、真の意味での「おらが病院」、健康の府として老若男女が集える「コミュニティーホスピタル」が実現できるのではないかと考えております。健康教育、健康情報の発信などに努めてまいりますので、地域の方々には是非ともご利用いただいて育てていただきたいと存じます。もちろん、医師をはじめ、医療スタッフを充実していかなければなりません。周辺人口9000人、滞在型の観光地でもあるこの仙北市・田沢湖で我々といっしょに地域医療を考え、支えていただける医師、看護師を募集しております。自分が田沢湖病院を作っていく、これから変えていくんだという意気込みで頑張っていただける方をお待ちしております。