北海道の有珠山で火山活動を学ぶ
総合学習として「あきたランドアート協議会」が旅費を補助(6月13日・水)
大曲市角間川小学校(伊藤孝之校長)の6年生20人は11日から12日までの1泊2日の日程で北海道洞爺湖へ修学旅行を実施、洞爺湖では2000年3月31日に大噴火した有珠山の西山火口や虻田町立火山科学館を見学したり、洞爺湖温泉小学校6年生との交流を楽しんだ。昨年までの修学旅行は宮城県の松島だったが、修学旅行をもっと充実した「総合学習」の場にしようと北海道へと切り換えた。旅費は松島よりも1万5000円高くなったが、総合学習を支援したいと建設関連団体「あきたランドアート協議会(工藤吉春会長)」から約15万円の補助があった。子どもたちは生々しい火山活動を目の当たりにし、災害の恐ろしさや噴火で避難した住民の復興作業の様子、災害後の生活などを目にしながら地球の雄大なエネルギーを学んだ。
今回の旅行は県内では体験できないような旅にしたいと企画した。昨年1月から保護者と相談。旅費は高くなるが、保護者も火山なら生の地球活動を学べるいい機会と賛成。保護者の中に建設業を営んでいる人がいて、「自分も会員になっている『あきたランドアート協議会』で子どもたちの総合学習に理解を示し、補助している」との話があって、同協議会に打診。災害や復興活動を子どもたちに観てもらうのもいい勉強になると同協議会も好意的に受け止め、旅費を補助することになった。
そのおかげで当初予定していた一人当たりの旅費4万1000円が、3万6000円となった。そして11日朝に秋田空港から初めての北海道へと旅立ち、登別温泉の地獄谷や昭和新山を見学。さらに有珠山の噴火後、火山学習の教材として生かすため、虻田町がそのままの姿を博物館にしようと残した「西山火口散策路」を見学した。
有珠山の噴火では事前に住民が避難したため、人的被害はなかったもののホテルや小学校、住宅などがおびただしい泥流で倒壊した。枕木を並べて整備した散策路周辺はその時の噴火によって受けた被害がそのままの姿で残っているもので、子どもたちは泥流の下敷きとなった建物や車、土木作業用の重機、千切れた水道管、倒れた電柱、倒壊したゴミ焼却センター、波うつ道路、断層など生々しい姿を戦々恐々とした目で見学。火山のすさまじいエネルギーと災害の恐ろしさを学んだ。
さらに宿泊した洞爺温泉ホテルでは夕食後、ホテルの方から火山による被災生活の話しも聞いた。有珠山の噴火では虻田町の住民約1万6000人が避難の対象となり、120日もの共同避難生活をした後、仮設住宅へと移った。そして今、復興作業が続けられている。
旅行には4人の先生たちが同行。その団長として同行した教頭の加藤悦子先生は「ホテルの方の避難生活の話や火山噴火時の恐怖などを子どもたちは熱心に聞いていた。そして噴火によって大きな被害を受けてもそれをマイナスと捉えず、プラスの方向へ持っていこうと噴火で被害を受けた町全体を博物館として観てもらうことにした人間の強さなどを子どもたちは感動しながら学んだ」と話す。(写真は角間川小学校の提供です)
翌日は洞爺湖温泉小学校を訪れ、同じ6年生22人と交流。角間川小の子どもたちは秋田の「ナマハゲ」や竿燈祭り、大曲の花火、そして秋田名物のキリタンポのことなどを紹介した。洞爺湖温泉小学校の子どもたちは北海道の自然や温泉、虻田町のことなどを話した。加藤先生は「洞爺湖温泉の子どもたちはまだ噴火時の恐怖で受けた心の傷がいやされてないようで、噴火の話には触れたくなかったようだ」といたわった。両校の子どもたちはこれから手紙やメールを通じて交流を続けようと約束していたという。
午後からは札幌に入り、5班に分かれて自由行動となった。札幌市内ではそれぞれの班が事前に練った行動計画で時計台やテレビ塔、札幌駅、道庁、さらには北大のイチョウ並木、そして名物の札幌ラーメンを食べたグループもあったという。加藤先生は「初めての北海道旅行だったが、子どもたちにとっても学べるものが多かった」と話す。県教育庁南教育事務所仙北出張所によると北海道へ就学旅行をしている小学校は49校中6校とまだ珍しい。