前秋田朝日放送取締役の中島氏が知事選に出馬表明──知事選は4人の争いに

本紙と会見「食糧費の不正を徹底解明したい」と強調(3月24日)

 来月3日に告示される県知事選に出馬表明した前AAB秋田朝日放送取締役報道制作局長の中島達郎氏(56)は23日、秋田市の自宅マンションで本紙と会見、出馬に至った経緯を「朝日放送を辞めされ、東京へ戻されることになったが、予てから秋田の現状をこのままにしてはおけないと思っていたし、個人的には近くに居る母(77)を捨てて帰るわけにもいかないし、仲間もやるべきだと勧めもあって朝日新聞を辞めて出馬を決意した」と語った。その上で、「自民党が佐竹氏を擁立したということも腹立たしいし、寺田氏の擁立もいきさつが不可解だ」と述べた。

 中島氏の出馬によって、知事選は自民党推薦の前県総務部次長の佐竹敬久(49)、新進党、社民党、公明、連合秋田推薦の横手市長・寺田典城(56)、革新系市民団体と共産党推薦の前県高校教組委員長・斎藤重一氏(65)の4人の争いとなる。

 中島氏は政策として「食糧費はまだ不正が隠されている。その中には知事選の選挙資金もある。それを徹底的に解明し、犯罪となるのであれば司直の手に委ねなければならない」と食糧費の不正解明に強い姿勢を示した。

 「虚偽公文書の作成など秋田は公費天国どころか犯罪天国ですよ」と激しい口調も交えた。そして「公文書公開条例と連動したシステムの改善を図り、公費が不正に使われないようにしたい」と語尾を強めた。

 また巨額な赤字を抱えている「第3セクター秋住問題も専門家を入れて、赤字債権の処理を検討したい」とした。さらに「バブル時代から続いてい箱物行政によって生じた8000億円もの県の借金財政の早急な解決」「県立大学の分散設置は白紙に戻したい」とし、「どうしても必要な大学なら設置すべきだが、現在では何のための大学か分からない」と理由を述べた。

 この他、大王製紙は「ここまで来ては誘致せざるを得ない。雇用の場にもなる。ただし環境面では厳しい制約を敷きたい」と誘致に前向きの構えを示した。そして田沢湖の問題を挙げ、「現状の玉川毒水の石灰中和では100年も200年もかかる。発電をストップさせても田沢湖への玉川の水を流れないようにして、電力はまた別な方法で求めたい」と語り、「これからの秋田は観光立県と情報ハイテク立県を両立させなければ生きる道はない」と結んだ。さらに「3期を上限に多選を避ける。副知事は2人制とし、1人は女性にしたい」と述べた。

 秋田朝日放送から朝日新聞東京本社への転向を命じられたのは12日。それから自分の身の振り方を考え、仲間とも相談、21日夜、最終的に知事選への出馬を決意し、朝日新聞を辞職。翌22日に記者会見を開いたという。選挙は秋田高校同期生が中核となって進めることを約束。一時は新進党からの出馬の打診を受けたこともあった。

 「選挙の準備はすべてこれから。あらゆる正当とは等距離をおいて、是々非々の立場を貫く」と中立を強調した。秋田市中通5丁目のライオンズマンション「中通第2」の自宅には友人らが詰めかけ、同級生名簿などを点検していた。政策はインターネットにホームページを設け、そちらでも公開したいと語った。

 中島達郎氏(なかじま・たつろう)=1941年、東京生まれ。秋田高から早大文学部卒。64年朝日新聞東京本社。同社政治部次長、通信部長、出版局長、読者広報室長などを経て96年に秋田朝日放送取締役報道制作局長。18日付で朝日新聞東京本社取締役総務局付となり、22日付で退職。