共産系市民団体から斎藤氏が出馬表明──県知事選は三つどもえの構図に(3・11)

 4月3日告示、同20日投開票と決まった県知事選に向けて秋田県革新懇(佐藤裕二代表)、知事にやめてもらう県民の会(鈴木政隆代表)の二つの共産系市民団体から出馬要請を受けていた前秋田高教組委員長の斎藤重一(しげかず)氏(65)は11日、秋田市のホテルで記者会見し、「いまこそ全県民の手によって、秋田県と秋田県庁の大掃除をしなければならない」と正式に出馬表明をした。

 これによって県知事選は4日に記者会見して、出馬表明している前県総務部次長の佐竹敬久(のりひさ)氏(49)、そして12日にも出馬表明する横手市長の寺田典城(すけしろ)氏(56)による三つどもえの選挙戦という構図がほぼ固まった。

 記者会見でははじめに「知事にやめてもらう県民の会」代表の鈴木氏が「佐々木知事を辞任に追い込んだ私たちの運動にふさわしい候補を得ることができた。自民、新進、連合の翼賛体制の中で戦いを進めるのは困難と思うが、県政を変えるのはガラス張りの県政だということをキーワードに個人を中心とする草の根を県内各地域に広げ、戦いを展開したい」と斎藤氏を紹介した。

 斎藤氏は「県政に対し腹を立てていることは私も人後に落ちない。どうなっているんだ秋田県と思っていた。だれかが先頭に立って、県政を変えるべきだと運動もしてきた。そこへお前がやれと言われた。たじろぎもあったが、腐敗しきった県政をさらに保管しようとする人が名乗りを上げ、あるいは出馬しようとしている。そういう人たちに県政は任せられない。ケジメをつけるためにも私を推してくれるなら立たなければならないと決意した」と出馬理由を語った。

 その上で「いまの県政の不正、乱脈の陰にはもっと根深い、構造的な腐敗があると考えられる。県政の大掃除をしなければならない。憲法を暮らしの中に生かし、みんなで相談し、みんなで決めて、みんなで実行するという民主主義の原則を秋田県政において実現したい」と決意表明した。

 さらに対立候補となる佐竹氏については「一面識もないが、県庁の中からしかるべく要職にあった人が出てくること事態が極めて異常だ。不正乱脈を覆い隠す意図さえあるのではないかと思う」と切り捨てた。また寺田横手市長の出馬に当たっても「新進も自民も同じ根っこの政党。汚職疑惑のある政党に知事を推す資格はない。連合もこれまで佐々木知事を推してきた。そのケジメもつけないで次の人を推すのはとんでもない」と批判。「そういう政党や団体に推されて出た人が県民の代表として県民のための県政を敷くかは疑問」と強い対抗意識を燃やした。

 斎藤氏のこれからの運動を支えるのは「全国にほこれる県民のための県政をつくる会(略称・県民の会)」を選挙母体に、個人を中心とする組織に発展させたいとしている。所属する政党はないが、共産党とは政策協定を結び、推薦を要請したいとしている。

 斎藤重一氏=1931年8月29日、秋田市生まれ。県立秋田南高校(現秋田高校)秋田大学学芸部卒。55年尾去沢町立尾去沢中学校教諭、62年から県立秋田工業高校教諭などを経て県高教組執行委員長として専従役員。鳥海山の自然を守る会理事長、白神山地のブナ原生林を守る会理事、県山岳連盟副会長など歴任。現在は原水爆禁止秋田県協議会理事長。「ルポ高校中退」(秋田書房)などの著書もある。