国指定名勝「池田氏庭園」

6月11、12日に特別公開

広大な日本庭園と巨大な雪見灯籠(5月25日・木)
 
    堂々とした構えの薬医門(昨年写す)         国内最大級と言われる雪見灯籠(同)

  庭園では県内初の国指定「名勝」となった大仙市高梨の旧地主・池田氏庭園が6月11日と12日に特別公開される。池田氏庭園は敷地面積約4.2ヘクタール(4万2000平方メートル)の広大な面積を有し、上空から見ると池田家の家紋である六角形をなし、周囲は石垣を伴う壕や土塁で囲まれている。明治29年(1896年)の六郷大地震で家屋が倒壊したのを契機に、耕地整理事業に合わせて屋敷地を拡張、秋田市の千秋公園を設計した長岡安平の協力を得て明治末ごろまでに地割を行い、大正時代に完成した。昨年2月27日に国の「名勝」指定を受けた。

 この指定を受ける前後から公開を望む声があったが「池田氏庭園」は個人住宅であり、日常生活の場であることから通常公開はしてなかった。昨年、池田家からの承諾を受けて6月26日と27日に特別公開した結果、県内各地から3200人もの見学者を呼び、大きな反響となった。

 池田氏は明治から戦前まで旧高梨村の村長を務め、山形県の本間氏、宮城県の斉藤氏と並ぶ大地主として知られている。田んぼの所有面積だけで最盛期には1200ヘクタールもあった。

 正門は堂々とした薬医門の構え。屋敷を囲むように張り巡らした石垣の堀は長さ800メートルにも及ぶ。敷地内の母屋を取り巻く地域には各所に築山や滝口を設け、石灯ろう、景石を配し、水道施設やプール、運動広場などがあった。また大正11年(1922年)に私設の図書館として県内初の鉄筋コンクリート造りの二階建て洋館が建てられた。内部には食堂兼音楽室、ビリヤード室などもあり、一般にも開放し利用させたという。内装の壁紙はかつて国会議事堂に使われていたものと同じ種類の金唐革紙(きんからかわかみ)が使われている。

 ほかに講堂と称された武道館、家畜小屋、馬小屋、果樹園、菜園などが設けられ、武道館には嘉納治五郎など有名な柔道家が泊り込んで修行、指導したものだという。池田家12代の甚之助は貴族院議員と旧高梨村の村長を務め、13代の文太郎、14代の文一郎もやはり村長を務めている。屋敷内には住み込みの使用人だけで40〜50人、その人たち専用の風呂もあって、近所の小作人にもその風呂は開放された。通いの使用人は100人を超えた。

 母屋は昭和27年(1952年)2月に焼失。その後、多くの施設も失われたが庭園と母屋の基礎と敷石は残っている。また洋館、薬医門、米蔵、味噌蔵など5つの蔵が当時の面影を現代に伝えている。

 国指定「名勝」を受けて庭の管理は現在、市が管理団体となっている。主庭園には中島を有する池を中心に高さ及び笠の直径が4メートルの巨大な雪見灯ろうがある。指定のために同庭園を訪れた文化庁の担当者は石灯ろうを見て「おそらく日本最大級の大きさだろう」と驚いたという。屋敷内には751本もの木も植わっている。

 今回の特別公開は両日とも午前9時から午後4時まで。見学者を30人前後のグループで案内し、解説する。見学時の写真撮影は個人のプライベートもあり、指定した場所以外はできない。三脚の使用、商用目的の撮影は禁止。公開整備協力金として1人200円を求める(中学生以下無料)。

  問い合わせは大仙市教育委員会文化財保護室(0187─63─8972)。駐車場は池田氏庭園正面前と仙北庁舎駐車場。仙北庁舎からシャトルバスが出る。雨天時は長靴必要。