旧千畑町長の藤嶋町長出馬へ
旧仙南村長の松田氏と一騎討ちの構図へ(11月19日・金)
美郷町長選出馬のため19日午後4時から六郷庁舎で記者会見した旧千畑町長の藤嶋長右エ門町長職務執行者(66)は、同町長選への出馬を断念した坂本茂弘旧六郷町長を支援した経緯もあり「政策的には坂本さんと違った面は持ちたくない。旧3町村で継続している事業は続けたいし、旧六郷町のまち並み中心事業は町中心部の活性化のためにも手を加えて進めたい。お寺の多い町であり、それを観光に結びつけ、多くの人が集まるような町にしたい」と述べた。
また農業に関しては「畜産の堆肥を使い美郷町のコメや野菜は他の地域よりおいしく安全・安心なものとしたい」などと語った。さらに対立候補となる旧仙南村長の松田知己氏(40)に対しては「年齢も違い、女性から観れば比較にもならないだろうが、自分には松田さんにない経験があり、若さとパワーだけではだめだ。いかに町民の声を聴き、職員も町民のために頑張ることができるようどう職員に仕事を与えていくかが大事だ」と述べた。また「国の三位一体の改革でこれからの町財政は厳しい。だから徹底した行政改革を実施し、新しい事業をやるため余裕を持てるようにしなければならない。そのためにも町民の協力が必要であり、話し合いが大切だ」と強調。そして地域間対立に関しては「選挙をやってもやらなくても解消するものではない。旧3町村の住民が顔を会わせられる会合を持ち、そのためにも旧3町村の施設をうまく使いたい」と語った。
町長選は23日告示のため、準備が追いつかずポスターも告示まで印刷が間に合わなければポスターなしで運動に入ると言う。美郷町長職務執行者の退職届けは後松一成議長に提出し、受理された。職務執行者の職務代理者は二藤誠祥総務課長となった。(19日午後5時20分掲載)
今月1日に千畑町、六郷町、仙南村が合併して誕生した美郷町初の町長選は当初、旧六郷町長の坂本茂弘氏(67)と旧仙南村長の松田知己氏(41)との一騎討ちの構図だったが、坂本氏が15日に「旧町村の地域対立を避けたい」との理由で突然の出馬辞退を表明。坂本氏を支持していた藤嶋氏は目標を失っていた。
その後、坂本氏や藤嶋氏を支持する旧六郷町議と旧千畑町議が「坂本さんの出馬辞退の理由は選挙でしこりを残したくないだけではない。選挙がなくなったからと言って地域対立が解消されるわけでない。むしろ選挙で決着をつけるべきだ」と出馬を強く要請。これを受け、藤嶋氏は「旧3町村の融和を図りたいとする坂本氏が訴えてきたことを継承するためにも出馬を決意した」と述べた。
藤嶋氏は「準備も何も整ってないので厳しい選挙戦になるだろう。捨て石になる覚悟で頑張りたい」と決意を示した。選挙事務所は自宅前の馬場集落会館を予定している。
藤嶋氏が出馬の意思を固めたことから松田陣営では「これまでの作戦を全面的に見直さないといけない」と困惑を深めている。坂本・松田両陣営とも候補者のいない旧千畑町が当落のカギを握る草刈り場だっただけに、千畑地区での戦いに主軸を置いていた。それが藤嶋氏の出馬で主戦場は旧六郷町へと急転回したからだ。
一方の坂本後援会では「坂本さんのための後援会であって、坂本さんが出馬を辞退したからそのまま藤嶋さんというわけにはいかない。ただ坂本さんを失った脱力感もあって、このままでいいのかという気持ちも強い。後援会としては個人的な動きは止められない」と話す。
藤嶋氏は大曲農高卒。1968年3月から1990年7月まで町議6期務め、町助役に就任。98年5月の町長選で一騎討ちを制し、初当選。2期目は無投票当選で6年半務めた。1938年4月17日生まれ。自宅は美郷町本堂城回字馬場4番地。