「死とどう向き合うか」=デーケンさんが講演(5月20日・火)
大曲・仙北いのちを考える会(仮称)設立準備会が18日、大曲市の中央児童館で開かれ、秋田市の聖霊女子短大教授・アンネリーゼ・デーケンさん(秋田生と死を考える会顧問)が「死の準備教育〜死とどう向き合うか〜」と題して講演した。準備会は同市栄町、大曲キリスト教会牧師の横井伸夫さんが呼びかけた。
会場には30人ほどが訪れ、デーケンさんの話に耳を傾けた。デーケンさんは「死への準備教育は死だけでなく、よりよく生きるための教育でもある」として「死へのプロセスと死に行く患者を抱える問題とニーズを理解すること」「自分だけのかけがいのない死を全うできるように、死についてより深い思索を促すこと」「極端な死への恐怖を和らげ、心理的負担を取り除くこと」「死にまつわるタブーを取り除くこと」、そして「死後の生命の可能性について、積極的に考察するよう促すこと」など死への準備教育の15の目標を挙げた。そして黒澤明監督の映画「生きる」を引き合いに「末期ガンの主人公が人間としての使命を果たし、最後は自分のつくった公園のブランコに揺られて死んでいくシーンには感動した」など死と生を鮮やかに描いた名作を語った。
訪れた人たちからは「死は怖い。どんなに苦しむのか。また家族にも迷惑をかけるのではないかと思うと怖いし、未知への不安がある」など死を恐れる率直な質問があった。デーケンさんは「それを分かち合う事で和らげるようにしたい」と述べていた。
また国際ジャーナリストとしてニューヨークで活躍、「乳ガンなんかに敗けられない」などの著書を残し、46歳で亡くなった千葉敦子さんのビデオを放映。「自分の人生に満足しているから死への恐怖はなく、毎日をいとおしみながら過ごしている」と語る千葉さんの言葉が感動を呼んでいた。そしてデーケンさんは「アメリカのホスピス病棟では医師たちが死んでいく患者からどれだけ学べるかをとても大事にしている」とホスピタルの必要性を訴えた。
終わってから横井さんの呼びかけで「いのちを考える会」の設立準備会が開かれた。残ったのは数人だったが、「愛する人を失った人の悲しみを受け止め、分かち合う」「自分らしく生きるための学びの会」「大曲・仙北地区に末期医療(ターミナル・ケア)の実践の場であるホスピス病棟のある病院の設置と在宅医療の充実を目指したい」などの目標を掲げ、賛同した元参院議員の細谷昭雄さん=神岡町=が会の設置に向けた呼掛け世話人代表として協力する事になった。事務局は大曲キリスト教会の横井さん。会ではこの秋までに設立したいとしている。問い合わせは同教会へ(0187─62─2598)。