あでやかに踊る大曲市角間川町の盆踊り

市指定無形民俗文化財

今年も本通りに踊りの長い輪(8月15日・火)

 ドドーンのピーヒャララ─。軽快なお囃子(はやし)に乗って踊りの輪が広がる─。大曲市の無形民俗文化財「角間川の盆踊り」は14日夜、同町本通りで行われた。200人近い踊り手が町内あちこちから浴衣姿で参加して、あでやかな踊りを披露、それぞれの思いを込めて先祖の霊を慰めた。

 本通りでの踊りは車の通行量の増加に伴い、中断を余儀なくされ、各町内ごとに細々と行われていた。しかし、同町裏手を通る雄物川堤防が完成、これを迂回路にすることができるようになって1995年から22年振りに復活した。

 町中心部の道路沿いにお囃子の舞台が設けられ、午後7時半から笛や太鼓、鉦(かね)を手にした11人のはやし手が「ドドーンのピーヒャララ」とはやし立てると町内のあちこちから、編みがさ姿に「角間川盆踊り保存会」と染め抜いた浴衣姿の婦人たちが集まって、踊り始めた。午後8時過ぎには最盛期となり、かがり火を囲んだ長い踊りの輪がつくられた。中には内小友から来た踊り手もいて「踊っていると足腰がシャキッとする」と汗を流しながら踊りの輪に加わっていた。

 角間川盆踊りは江戸時代の即興「仁和加(にわか)」踊りを下地に伝わってきたと言われる。しかし、明治、大正と時代の流れとともに踊りは崩れ、これに心を痛めた町の舞踊家が、地元に伝わる「旭踊り」と「仁和加」の優雅さを取り合わせ、昭和元年(1926年)に現在の踊りに復活させた。踊りはユッタリとした手先、足の動きの優雅さが特徴。

 盆踊りが市の無形民俗文化財に指定されたのは1967年。町民はこれを名誉としてその保存に全力を注ぎ、小学生にも踊りと囃子が普及している。盆踊り保存会の鈴木正俊会長(89)は「本通りでの踊りが復活してからますます活発になってきた。町公民館も一生懸命にやってくれている」と喜び、「この踊りの原点である優雅さは上方(大阪)にあると思う。大阪夏の陣で敗れた黒丸一族が能登半島に隠れ、さらに角間川へと逃れ、戦がないようにと祈って踊り始めたものだと思う」と話していた。