岩間郁夫さんの「アメリカ暮らし(25)車検」(98・2・15)
相変わらず雨の天気が続く北カリフォルニアです。長野オリンピックのニュース は、こちらの新聞の一面にも出ていますが、今のところアメリカ選手の活躍がパ ットしないこともあって記事は控え目です。まして日本選手のことなど記事になる訳は無く、日本選手に関しては、もっぱらインターネットから最新のニュース を仕入れています。
袴田さんがイギリスの車検のことを書いてくださっていますので、今日は連鎖して私もアメリカの車検のことを書いてみます。むろんアメリカの場合は州の間 で、この制度に大きな違いもありますからカリフォルニア州ではと言うことで。
良く皆さんが映画で御覧になるようにアメリカでは新車に混じって相当くたびれた車が道路を走っています。理由の一つは日本の車検制度に該当するものが無い ことと、車の税金にあたる年間登録税は車の価値に対してかかってきますから、 車が古くなると、この年間登録料税はタダのようになってしまい、所持する負担 が少なくなることからです。
カリフォルニア州では一台の車で10万マイル(16万キロ)ー15万マイル(24万キロ)ぐらい乗るのは普通ですから、車歴も10年以上なんていうのは 珍しくありません。このくらい古くなると年間登録税はせいぜい30ドルとか4 0ドルぐらいですから、動けば持っていた方が良いと思うのが当然かもしれません。
ただこれだけ古い車が走っていても車検はありません。唯一、近いものとして公害対策と言う主旨から2年毎に登録更新に合せてスモッグチェックと呼ばれる排 気ガスチェックが要求され、結果を日本の陸運局と警察の運転免許部門を合わせたような局であるDMVに提出することが求められます。
合格した結果は今は検査機械からネットワークを経由してDMVに自動的に記録されます。この結果の データが無いとDMVはその車の登録の更新を認めない仕組みになっています。
さて、このスモッグチェックですが、それほど大袈裟なものでは無く大抵のガソリンスタンド内にある整備場所には、この機械が置かれており、DMVからスモッグチェック検査の実施作業を認められた人間が手際よく作業をすれば20分ほどで検査作業が終了します。そんなことからほとんどの人は予約もせずに持ち込んで、この検査を実施してもらいます。
たしか検査の主内容はNOXとCOだっ たように思います。 料金も25ドルぐらいです。まず検査を受けた8割程度の車はパスします。残念 ながら不合格となった場合、当然ながら修理が必要となります。ただ排気ガスに関する限り、車メーカ側の責任が重く確か5ー6万マイル(8万キロぐらい)未満の走行の車であれば、修理費は、その車メーカが負担する義務があります。
また、メーカの保証以上に走っていて不合格になった場合?当然ながら修理は義務なんですが、確か200ドル?かけても直らない場合、その旨を報告することによ って不合格ながら使用が認められると言う温情があるのが特徴です。
中古車を売買する場合にもこのスモッグチェックが必要であり、スモッグチェックは売り手側の義務になっています。
でも保安上、車検が無くて車は安全か?と言う議論もあるかと思いますが、こちらで暮らす限り整備不良による交通事故というのは以外に少ないような気がしま す。ブレーキ等は運転者にとっては命に係わる機能なんで、逆に所有者自らが注意をしています。逆にタイヤ等を見比べると日本で走っている車の方が意外にタ イヤがすり減っても走行しているような感じがします。むしろアメリカの方がポンコツ車ながら、ちゃんとトレッドのあるタイヤをはいていることが多いようです。