此内一人深手不命不定候先披露申候由ニて肝
来候
天和(てんな)四年（一六八四年）甲子年
義明（左衛門）四十二才
義隣（御隠居・主計）かずえ 六十六才
又四郎（義命）よしかた 十八才
お長 十五才・一六八三年に能代檜山多賀谷家に嫁ぐ・四代隆経の室
お梅（むめ） 十一才
主殿(とのも)（義秀）三十九才 義明・弟・佐竹東家の八 代
天和(てんな)四年 一月 （一六八四年）
○ 一月一日 ～ 屋形様御廣間江御出被成候即御礼初ル一番座我等孫太夫因幡 十太夫右兵衛又太郎也二番座主殿淡路帯刀左兵衛儀右ヱ門 外記也
○ 一月八日 ～ 角館よりも一昨日便候近年無之大雪之由也
○ 一月十日 ～ 我等事ハ今朝未明より以之外食傷致吐逆抔有之候
天和(てんな)四年 二月 （一六八四年）
○ 二月一日 ～ 昨日之雪夜中も降積六七寸積今日も終日雪吹也
○ 二月六日 ～ 明間ハ少々有之候漸真鴨雄一つ為捉帰候白鳥壱つ打候
○ 二月十一日 ～ 朝より曇昼過より雨降未雪三尺餘も有之候家より下シ候 所ハ夥敷有
○ 二月十四日 ～ 主殿より御隠居様へ白鳥壱つ我等所へ鴻壱つ遣候 天王村ニ居候由白鳥三拾斗打候由也
貞享(じょうきょう)元年 三月 （一六八四年）
○ 三月七日 ～ 又四郎ハ此方立久保田江登候
○ 三月八日 ～ 苅和野より高寺迠六七町海道を舟ニて参候
○ 三月十九日 ～ 屋形様角館へ御渡り
○ 三月十二日 ～ 又四郎事吉日ゆへ今日前髪取候
貞享(じょうきょう)元年 四月 （一六八四年）
○ 四月四日 ～ 我等手前ニて不断之座敷ニて為飲候汁ハ白鳥也
○ 四月八日 ～ 今日ハ此方八幡初詰神之祭礼ニ候
○ 四月十日 ～ 今日日柄ニて又四郎お梅も灸すへ候おくニもすへ候也
○ 四月十五日 ～ 今日おく之里帰之事弥御隠居様へ申上候
○ 四月十八日 ～ 慈尊院大僧正御気色去年中より悪敷候色々御養生候へとも不相叶当三月廿一日戌刻遷化被成候由也
○ 四月二十三日 ～ 今朝未明七つ半過ニ天寧寺衣寮より出火候
○ 四月二十五日 ～ 今朝五つ半頃蔵屋敷之舛取久作家へなけ火致候則消候由也
貞享(じょうきょう)元年 五月 （一六八四年）
○ 五月五日 ～ 先月五日ニ京寺町より出火筑地之内へ入春宮様御殿炎上 公家衆も焼被申候由四五町程焼失之由也
○ 五月六日 ～ 来年ハ千靏殿三十三年ニて法事有之候
○ 五月二十一日 ～ 終日雨降時々強降四五年以来之洪水也
○ 五月三十日 ～ 終日雨降河水夥敷増候十四五年以来之洪水也
貞享(じょうきょう)元年 六月 （一六八四年）
○ 六月八日 ～ 岩橋又右ヱ門娘病気不叶養生今日相果候
○ 六月十四日 ～ 今日ハ祇園之祭礼ニ候岩崎ハ氏子故今日祝ニ昼ニ切麦上候
○ 六月十五日 ～ 洪水ニ付河邊破損内検使ニ遣候玉川斎内両所ニて 人足四五千人程入候
○ 六月十九日 ～ 江戸より下り候料理鍋五つ組来候也
○ 六月二十二日 ～ 京都慶寿院殿より之荷物舟便ニ到来候 幕二色山下拵誂候も下候而来候也
貞享(じょうきょう)元年 七月 （一六八四年）
○ 七月三日 ～ 今日小間物売江戸之者来候由聞候故呼候御屋敷江も出入申
○ 七月五日 ～ 当八日桂雲院様廿五年忌之御法事有之候
○ 七月十三日 ～ 今晩より盆ニ付盆棚
○ 七月十四日 ～ 又四郎長野へ行候廟参申方丈ニて麦抔出候
○ 七月十八日 ～ 此方ハ半棒向ハ脇指ニて候打合五兵衛指切られ候向も打候
○ 七月二十三日 ～ 明少前ニおくハ立候也（里帰り）
貞享(じょうきょう)元年 八月 （一六八四年）
○ 八月九日 ～ 西内川普請ハ長野一郷之人足ニて千二十人入候か相勤候 筈ニて玉川へも長野よりも人足六十二人とやらん出候
○ 八月十一日 ～ 法流院様ニハ十一日御逝去
○ 八月十四日 ～ 今日佐瀬多助吉利支丹調帳為持久保田へ遣候也
貞享(じょうきょう)元年 九月 （一六八四年）
○ 九月三日 ～ 今日ハおろく誕生日ニて昼ハ祝候
○ 九月九日 ～ 殿中堀田筑前守殿と稲葉石見守殿御討留候
○ 九月十九日 ～ 久保田寺社奉行より寺院之調ニ一両日以前より給人来候 常光院弥ろく院なと其外小庵ニても相調書付出候也
○ 九月二十七日 ～ 昨夜中雪降候初雪也
○ 九月二十九日 ～ 終日曇候昨夜中ハ少雪降候
貞享(じょうきょう)元年 十月 （一六八四年）
○ 十月十一日 ～ 御馬取衆ハ大方明日此方御着と心懸候也
○ 十月十六日 ～ 昨夜中ハ雪少降今日も晩方曇雪少つゝ降也
○ 十月二十三日 ～ 慈雲院殿京都ニて先月十二日ニ遷化被成候由ニ候
○ 十月二十六日 ～ 源蔵殿八月廿九日ニ相番之大岡伊左ヱ門殿と喧嘩被成双方御果候
○ 十月二十七日 ～ 終日雪降一尺許積候也
貞享(じょうきょう)元年 十一月 （一六八四年）
○ 十一月一日 ～ おろく事今朝七つ過ニ此方立候也
○ 十一月十一日 ～ 石見殿事八日子ノ刻死去之由也
○ 十一月二十日 ～ 光聚院様危篤に付き、御国中之由緒有之仏神へ御立 願有之候 ／ 当所八幡院之観音田沢之黒尊佛へ 別当ニ被仰付候
○ 十一月二十五日 ～ 天気中雪少しつゝ降当冬今分ハ雪殊外薄シ
○ 十一月二十六日 ～ 光聚院様御気嫌頃日ハ少々御快気之様ニ候所 ニ十六七日より与風被為替御養生不相叶十八日 亥ノ刻御逝去
○ 十一月二十八日 ～ 石見葬礼 廿二日ニ無恙相済候由也奥をハ瑞雲院 と申候由也
○ 十一月二十九日 ～ 終日雪吹也雪ハ少つゝ降寒つよし
貞享(じょうきょう)元年 十二月 （一六八四年）
○ 十二月二日 ～ 御預り人ハ先月十二日ニ八丈嶋へ流人ニ被仰付候由也
○ 十二月九日 ～ 天気大躰也雪も二尺程積候也
○ 十二月十一日 ～ 光聚院様・屋形様御名代相勤候へと江戸より御意之由也
○ 十二月十二日 ～ 終日雪吹候雪も平地ニ三尺斗も積候
○ 十二月十四日 ～ 天気大躰也雪時々降当年も大雪也四尺餘当分有之候
○ 十二月十六日 ～ 毎日少つゝ降也平地ニ四尺三寸程有之候去年不劣大雪也
貞享(じょうきょう) 二 年 （一六八五年）
義明（左衛門）四十三才
かずえ
義隣（御隠居・主計） 六十七才
よしかた
又四郎 (義命) 九才
お長 十六才・一六八三年に能代檜山多賀谷家に嫁ぐ・四代隆経の室
お梅 十二才
主殿(とのも)（義秀）四十才 義明の弟・佐竹東家の八代
貞享(じょうきょう) 二 年 一 月 （一六八五年）
一月一日 ～ 宝明院 ／ 四つ時分 御遺骨御着大門前ニ我等一人御待申候
一月十七日 ～ 西郊殿慶寿院殿へ之書状年始之祝如例年樽代等進之候也
一月二十二日 ～ 光聚院様御遺骨今廿二日御立高野江御登候由一状ニて申上候也
貞享(じょうきょう) 二 年 二 月（一六八五年）
二月七日 ～ 天気吉内ハ寒シ末雪三尺餘も有之候也
二月十一日 ～ 終日薄曇也今朝早天ニ少々地震也
二月十七日 ～ 夜中より雨終日降也雪もよほと消候乍去火除なとニハ 未弐尺六七寸も有之候也
二月二十日 ～ 天気大低也晩方曇也今日より彼岸ニ入候也
二月二十五日 ～ 青毛青黒毛ハ無用と之御事之由也公方様御きらい之由也
二月二十九日 ～ 我等も雪眼ニ候故今日ハ休候也
貞享(じょうきょう) 二 年 三 月（一六八五年）
三月四日 ～ 公儀囚人十左ヱ門と申候者去秋九月本多越前守殿領地
出羽之内村山之郡皿沼新田ニて越前守殿被召捕籠舎ニ成候
三月二十五日 ～ 下々も咳気はやり候
貞享(じょうきょう) 二 年 四 月（一六八五年）
四月一日 ～ 今日ハ衣かへ故何も上下ニて礼ニ出候
四月九日 ～ 雲然村百姓三人昨晩喧嘩致候内一人ハ相果候残両人も手負候
此内一人深手不命不定候先披露申候由ニて肝来候
四月十一日 ～ 梅半右ヱ門家中ニ而侍両人喧嘩致一人討留候由披露ニ而
尤相手も切腹ニ成候由也
貞享(じょうきょう) 二 年 五 月（一六八五年）
五月一日 ～ 夕飯後ニ鵜崎江鉄砲打ニ行候也
五月五日 ～ 若殿様御登城被遊候ヘハ神田御屋敷之為替地
池端太田備中守殿上り屋敷 屋形様御拝領被遊候由也
五月十六日 ～ 夕飯後ニ鉄炮打ニ鵜崎へ出候七左ヱ門所より重之内なと上候也
五月十九日 ～ 昼時分より民部与下西宮佐次右ヱ門呼さつき楓なと継木申付候
貞享(じょうきょう)二年 六 月（一六八五年）
六月四日 ～ 屋形様御下向ニ付半途江指上候飛脚七つ過ニ帰候当朔日ニ
山形御一
ニて半右ヱ門へ状届候三日ニ尾花沢御立之日返
答出今晩帰候弥御気嫌能今晩ハ湯沢迠御出候由也
六月十日 ～ 今宮弾正病気養生不相叶今八つ過ニ死去
六月二十三日 ～ 和善首尾能元服被仰付継目之出仕迠相済
貞享(じょうきょう) 二 年 七 月（一六八五年）
七月四日 ～ 天気吉酷暑也今昼鵜崎ニ而鱒か利申付候
七月九日 ～ 三ケ村之指而かいこも成不申候由也
七月十二日 ～ 天気上々吉今日鵜出シ候ニ付四つ半頃ニ出見候鮎殊外薄候也
七月十五日 ～ 当町女忰おとり致候又さゝらも有之候
七月十八日 ～ 常光院申候ハ近頃ニ罷成手ふるひ勤成かたく御座候 隠居之訴訟申上度由也
貞享(じょうきょう) 二 年 八 月（一六八五年）
八月三日 ～ 今宮弾正
源太弾正跡職被仰付候
八月四日 ～ かごぬけ芝居雲然村ニて為立申度候身代不叶役等かゝ里候
八月七日 ～ 小山田之内小石ケ澤と申候所ニ銅山見立候
八月十三日 ～ 昼時分吉利支丹調ニ久保田給人三人来候
八月十八日 ～ 此以前横沢村権兵衛と申候乏食の女房無理に取候而我女房ニ
致其上権兵衛を打殺申候其
貞享(じょうきょう) 二 年 九 月（一六八五年）
○ 九月五日 ～ 当町之者共狂言仕組かり舞台庭ニ拵狂言色々致候
○ 九月十八日 ～ 絹賣如毎年上州より来候八疋今日為取候也
◯ 九月二十四日 ～ 昨夜中東前郷之内百姓家一軒自火ニ而焼失人も両三人 男女焼死候
貞享(じょうきょう) 二 年 十 月（一六八五年）
十月二日 ～ 馬の筋のべ候事樫御法度ニ被仰付候向後左様ニ心得候 様ニ書付来ル
十月二十日 ～ 朝より少つゝ雪降後ニハ雨ニ成候尤雪ハ少故不積也
十月二十三日 ～ 向後駄馬他領江出し候事堅御法度ニ被仰付候
十月二十五日 ～ 南部森岡町人之子共牛之助と申候者十三ニ成候を町同心壱人
召連遣候伊勢参致候所ニ道中ニて致落馬連ニをくれ候ニ付
久保田をあるき候故薬為飲本復申衣装等出し候て遣候生保
内よりひとや人を相添森岡へ遣候
貞享(じょうきょう) 二 年 十一 月（一六八五年）
○ 十一月三日 ～ 小山田村ニ銀山之新見立致
○ 十一月八日 ～ 夜中より朝迠ハ雪少つゝ降其後雨終日降也
○ 十一月十四日 ～ 六郎蔵役人古役新役人共ニ不調法有之主殿へ相談ニ而
切腹改易ニ被申付候由也
○ 十一月十八日 ～ 傘松之邊ニて何者か一人被切殺数ヶ所疵有之候
貞享(じょうきょう) 二 年 十二月 （一六八五年）
十二月二日 ～ 下河原傘松之下海道ニ磔ニかけ候也尤札立候
十二月八日 ～ 終日夥敷雪吹也
十二月二十二日 ～ 昨夜五つ過ニ境村立候而 未明ニ久保田江着候
十二月二十四日 ～ 塩谷民部今宮伊織塩谷正九郎ハ昨日登今日御目見得也
貞享(じょうきょう) 三年 （一六八六年）
義明（左衛門）四十四才
かずえ
義隣（御隠居・主計） 六十八才
よしかた
又四郎 (義命)二十才
お長 十七才・一六八三年に能代檜山多賀谷家に嫁ぐ・四代隆経の室
お梅（むめ） 十三才
主殿(とのも)（義秀）四十一才 佐竹東家の八代 義明の弟
貞享(じょうきょう) 三年 一月 （一六八六年）
一月九日 ～ 角館より狐壱つ取来候則御城へ上候也
一月十四日 ～ 今日も終日雪吹也夫より道中不成境村ニ逗留申候
一月二十九日 ～ 馬之尾筋切候儀堅無用と被仰付候
貞享(じょうきょう) 三年 二 月 （一六八六年）
○ 二月三日 ～ 四つ過ニ常光院へ廟参申方丈ニて蕎麦抔出候緩々居候
○ 二月六日 ～ 天気吉今日ハ御小座ヘハ不参候初夘ノ日故お梅鏡餅被拵候
○ 二月十日 ～ 京聴松院慈尊院よりも年始之文到来候
○ 二月二十五日 ～ 終日雪降夜中迠也一二寸積候平地之雪ハよほと消候也
○ 二月二十八日 ～ 天気ハ吉乍去夥敷霞ニて四方不見也
貞享(じょうきょう) 三年 三 月 （一六八六年）
○ 三月一日 ～ 今日より彼岸ニ入
○ 三月四日 ～ 今日久保田へ飛脚ニて能之かつら御前へ貸候
○ 三月十八日 ～ 昨十七日四つ半頃吉川瀬兵衛屋敷之御馬屋より火事
出来不残焼候乍去御馬ハ怪我無之様ニ聞候と申遣候
貞享(じょうきょう)三年 閏 三 月 （一六八六年）
三月一日 ～ 昨晩長野へわた里熊召捕ニ遣候
三月四日 ～ 今晩御小座ニて白鳥御料理
三月七日 ～ 能稽古申候
三月九日 ～ 此度御狂能被仰付候
三月十日 ～ 御能ハ七つ時分より初ル十一番之筈御前ニても御舞被遊候
三月十二日 ～ お梅八郎へ之縁組内々相済候事也
三月二十七日 ～ 今日先立而座頭殺候仁兵衛卒田村之内ニて礎ニかけ候検使
糸井七右ヱ門也治右ヱ門ハ打首ニ申付候也
三月二十九日 ～ 船便ニ京へ為登候
貞享(じょうきょう) 三年 四 月 （一六八六年）
四月五日 ～ 今日ハ久保田八幡之祭礼ニて此方ニても祝候也
四月六日 ～ 夕飯後ニ鉄炮打ニ鵜崎江行候
四月二十五日 ～ 先立而如仁兵衛磔ニ掛候へと申来候
貞享(じょうきょう) 三年 五 月 （一六八六年）
五月二日 ～ 冨士神主小佐野采女昨夕到着今日守札土産納候也
五月十一日 ～ 如例年之吉利支丹調被仰付候
五月十二日 ～ 巌有院様七年之御法事上野ニて有之候
五月十八日 ～ 八つ時分田沢湯本へ着候
歩行五人市兵衛共ニ中間五六人其外役人共ニ四十人程也
五月二十九日 ～ 今日より土用ニ入候
貞享(じょうきょう) 三年 六 月 （一六八六年）
六月十日 ～ 真壁十兵衛今昼過ニ下着申候由ニて出候於江戸奉始
六月十五日 ～ 生保内村東源寺天衣ニ登候而東堂ニ成下候
六月十六日 ～ 明日ハ京都 心凉院殿廿五年忌ニ付今晩より勤候
六月十九日 ～ 江戸より誂物深川より妹所へ下り候
六月二十五日 ～ 横手之観音別当勧進ニ神楽打廻候寺社奉行へ伺候而免ニて 角館湯澤抔行候由也
貞享(じょうきょう) 三年 七 月 （一六八六年）
七月一日 ～ 宗白様法光院殿位牌今日長野江七左ヱ門為持参候也
七月二日 ～ 宗白様三十三廻忌之法事申付候
七月十七日 ～ 町ニさゝら有之候由屋敷へ懸御目度と申候
七月二十日 ～ 夕飯後ニ町ニさゝら有之候呼候而見物申候也
七月二十一日 ～ 終日雨降つよくハ無之昨夜中ニハ地震有之也
貞享(じょうきょう) 三年 八 月 （一六八六年）
八月七日 ～ 今日より雲然抔ニテ仙臺より参候相撲取勧進相撲立候由也
八月十三日 ～ 天気吉夜中月さゆる晩方二三度地震少々有之也
八月二十一日 ～ 夕飯後ニ我等ハ灸治致候十四推腹江居候也
貞享(じょうきょう) 三年 九 月 （一六八六年）
九月二日 ～ 京菓子なと持参申候右登候時分誂候青貝印籠出来持参候也
九月九日 ～ 久保田ハ一盃十三文之由也去年ハ十一文ニ候去秋よりハ米 少高直故也
九月十一日 ～ 昼前ニ帰候上州より絹売来候而今日京登之用絹等求候也
貞享(じょうきょう) 三年 十 月 （一六八六年）
十月九日 ～ 終日風吹雪も降一寸許積候也
十月十四日 ～ 朝より終日雪降少積候也
十月十五日 ～ 昨日より雪降積今日終日降二三寸積候
十月十六日 ～ 終日雪降時々止二三寸積候也
十月十九日 ～ 当町之柏屋太郎右ヱ門京都江夏中登候
貞享(じょうきょう) 三年 十一 月 （一六八六年）
十一月二日 ～ 今晩御小座ニて口切之御振廻有之候
十一月三日 ～ 下桜田村之内四郎三郎殿知行分之百性稲盗人を壱人討留候
十一月四日 ～ 終日雪少つゝ降地ニも少積候也
十一月七日 ～ 今日より冬至也
十一月十日 ～ 当月十八日光聚院様御法事
十一月十一日 ～ 雪ハ平地ニ二三寸有之候道通ハ太方土見也当冬ハ珍敷天気 薄雪也
十一月十三日 ～ 当上納米当年不作
十一月二十日 ～ 終日薄曇時々日見ル雪少つゝ降頃日降積一尺餘有之候
十一月二十四日 ～ 天気中時々日見ル暖気也晩方霙降也雪七八寸も有之候 珍敷寒シ内也
貞享(じょうきょう) 三年 十二 月 （一六八六年）
十二月四日 ～ 若殿様御袖留初之御祝儀有之候 ／ 御姫様御帯解被遊候
十二月五日 ～ 終日雪少つゝ降時々止一尺五六寸も惣雪有之候
十二月八日 ～ 平地ニハ雪一尺七八寸有之候
十二月十日 ～ 雪ハ一尺五六寸有之候昨日壱度家之雪下シ候也
十二月十二日 ～ 終日雪降段々降積二尺許有之候也寒候
十二月十四日 ～ 終日雪吹也雪平地二尺程積候也
十二月二十二日 ～ 今晩ハ節分ニ而祝候年男隼人也
十二月二十三日 ～ 今日より立春也