大便乃至はうんち、あるいはうんこ。くそとも言う。

 生物はその生のほぼ全域に渡ってこれと付き合わざるを得ないようになっている。が、不当に低い地位に貶められていると感じるのは、私だけであろうか・・

 呼称については見出しの通りであるが、ばばという場合もあり、当地ではもっと野卑に「ばんば」などと呼んだりする。

 こいつは平均的には一日に1回、少ない人で数日に一回、多い場合には一日に複数回排泄される。洋式便器でしか用を足せないという子供が増えていると聞くが、健康のためには不幸なことであると思われる。また、おのが体の不可思議と人間の持つ本質的な不潔さ汚さを実感出来ないというのは、また他人の弱さ、汚さを許容できない不幸の始まりであるようにも思われる。

 さて、理想的には和式水洗便所である。

 おのが分身をその生成途上から観察可能であるし、その前段階から音、匂い等でことごとく観察可能である。

 健康な日本人のうんちは明るい茶色をしていると考えて間違いない。匂いも確かにうんちの匂いではあるもののきつくは無い。固さも程々と言える。また大事なのは粘着性でこれまた身離れがいいとは言わないであろうが、あまり肛門に多くは付着しない。

 黒っぽくなるほど体内での滞留時間が長い証拠であるし、匂いもきつくなる(真っ黒は論外。ただちに医者にかけ込むべし!こんな駄文を読んでいる場合ではない!)。特に繊維質をあまり取らない時に体調が良くないと酸性の匂いも混じり、糞切り(ふんぎり)も悪くなる。これは体内での良くない菌による発酵が進みすぎたことによるもので、酸化も進んでいる。

 ひどいときには発酵が進みすぎてうんちの匂いを通り越してどぶ泥のような匂いにまで進む。こうなると腸壁を刺激する成分が大量に発生しているとみるべきで、直ちに乳酸菌類の大量摂取、野菜炒め等の温野菜による繊維質の大量摂取により腸内の掃除をお勧めする。

 さて、体調が余りよくないときに肉類が続いたりすると繊維質が不足し酸化が進み、気持ちよく太い便が出来なくなる。こんな時はそう、ちょうど油で練った餡のように肛門周辺に粘りつきいくら拭いてもまだ紙にうんちが付いてくるような情けない状態となる。

 私はそもそも紙資源を浪費すること人後に落ちない。まず45cm長の6枚重ねを二つ折にして12枚重ねくらいにしないとけつが拭けない・・薄くすると下痢っぽいときは透過するのではないかと言う恐怖に襲われるし、また、紙越しにてめぇのけつの穴の感触を指先に感じるのはまっぴらごめんである。

 で、くだんの油練り餡状態となると拭いても拭いてもまだ少し付いてくるという状態に気が狂いそうになり、紙で擦りすぎて血を見るまでやってしまう・・この後に酸性便の下痢なぞした日には・・・ヒリヒリ染みて地獄を見てしまうのである。

 また、この手のうんちは水で流したくらいでは便器から剥離せず、いつまでも「お前はうんちをした!お前はうんちをした!」っと脅迫しているように便器にその痕跡をとどめる。

 一方、体内での滞留時間が短い方に進むとうんちの色はどんどん薄くなる。まぁ胆汁色素による着色がうんちの色の大半を決めるので、体内滞留時間のわりに量が多いときほどうんちの色が薄くなるのは当然である。

 健康で、かつ繊維質が取れているときは一日に2回程度までは普通に出るようである。

 多いときはてめえのナニと身まごう程の太さで実に45cmくらいに達するものが威風堂々と出てくる。こういうときは実に達成感があって気持ちいいのであるが、和式便器の場合気をつけないと横折れして便器をはみ出してしまいかねない。ゆめゆめ途中状態を観察して、いざという場合は意識的な中折れを作り出し、あるいはとぐろを巻くようにしてうまく便器内の水流の強そうなところに納めなくてはいけない。和式便器の欠点の一つかもしれない・・

 また、出るに任せてハイスピードの排泄をすると肛門の粘膜を傷つけかねない。痔主でなくとも調子に乗ると血を見ることになるので、気をつけましょう・・お互いに・・

 また、ホールコーンは致し方ない部分もあるが、あまりに食べ物がその形のままうんちに混じって出てくることが多い場合、咀嚼の不足による胃への負担過多が心配される。とくに早飯食いを自慢する忙しい人は気をつけたい。この未消化の食べ物が肛門を通過する際も、通常の消化されたものと違って肛門にとっては相当のストレスになる。

 薄めの茶色が良いといっても、黄土色っぽくなったときは若干注意が必要である。こういうときは大概便の太さが細めである。糞切りもあまり良くなく味噌やその他発酵系食品のような酸っぱい匂いがすることが多い。こういうときはストレスに腸がやられて正常な消化行程を踏めずに出てしまっていることになる。便秘便と別の毒素を便自体が含有することが多いのでこれまた大腸ガンや潰瘍のような病気のもとにもなるのでカルシウム系の健康補助食品の摂取と極力ストレスのない生活を心がけることにしている。

 気をつけたい匂いは、どぶ泥のような匂い、あまりの硫黄臭、酸っぱい奴、苦そうな匂い、甘ったるい匂いは下痢便が続くときによくある。あと発酵臭がするときも注意。もちろん食べ物に影響されることも多いのだがおのが健康なときの匂いというのはよく覚えておきたい。意外な病気を見つける事もあるだろう。

 うんちの匂いは基本的にはインドールやスカトールに因るものとされる。が、かように多種の匂いを放っており、おのが生きざまを示すことも多い。

 洋式便器はこうした色艶固さ、匂いなどとの対面を出来無くしてしまう・・まぁ、その他諸々の要素を含んで私は和式便器を大事にしたいのだが、昨今のホテル学校・職場などことごとく洋式化してしまったのは寂しい限りである。


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